放浪猫、「子クロちゃん」の宿替え


今日は写真を入れてみようと思い立ち、拾らわれ猫「子クロちゃん」のことを書いてみることに。
ある晩秋の夕方、マンションのエントランスでドアロックを開錠中、足元に違和感を感じ、
ふと見ると、子クロちゃんが私の足元を八の字(∞)にくるくる回りながら、今にも倒れそうな
弱々しい声を搾り出して「ごはん…ごはん、ください」と、みゃぁみゃぁ鳴いていた。
 すぐに自宅に連れて帰り、猫の餌になりそうなものをと冷蔵庫を見回し、明石出身の学芸員
O川さんから頂いた「いかなごくぎ煮」を大さじ一杯小皿に入れて差し出すと、死に物狂いで
食べ始めた。食べ終わると「もうちょっと…」と懇願されるので、要求されるままに5さじ分
食べさせた。その後、子クロちゃんはそのくぎ煮を大量に嘔吐することとなる。硬すぎた、
食べ過ぎた、辛すぎた?
で、マンションでは飼えないので、ネコ好きの嫁の実家に貰われた。実家では「クロ」という
ふてぶてしい黒猫を溺愛していたが、ある日猫嫌いな人が盛った毒餌に当たって亡くなってし
まった直後だった。
 で、先代のクロより小さいということで「子クロちゃん」と名付けられたその猫も、数年した
ある日、どこかに行ってしまった。
 あの晩秋の夕方、美味しいもの求めてわが家に来たように、またどこかより美味しいものを
食べさせてくれるいいところへ宿替したのだろうか